機械式時計はその部品点数は100点以上に及び、クロノグラフモデルともなると、その部品点数は200点以上の部品がムーブメント内に使われています。

これらの部品は金属製であるために、摩擦による部品の劣化を起こさないように、必要箇所には潤滑油の枠割のために注油されています。

時計オーバーホールは、この注油された油が乾いたり劣化することを防ぐために定期的にムーブメントを開けて、各部品の洗浄と組み立てを行って必要箇所への注油することです。

オーバーホール等のメンテナンスを怠った時計は、この注油された油の乾きや劣化によって、時計には様々な不具合が生じてくることになります。逆に言えば、この油の乾きや劣化の時期がオーバーホールの時期だとも言えます。

そこで今回は、このような状態の時計に起こる典型的な症状をご紹介していきます。

リザーブ時間が減少する

機械式時計には「手巻き」と「自動巻き」の2つのモデルがありますが、この2つのモデルに共通する油の乾きや劣化によって起こるオーバーホール時期の典型的な最初の症状が「リザーブ時間」の減少の症状です。

「リザーブ時間」とは、手巻きモデルであればゼンマイをいっぱいまで巻ききってから、自動巻きモデルあれば腕につけて腕の動きに合わせてゼンマイがいっぱいまで巻き上がった状態から、ゼンマイがほどけてしまうまでの時間のことをそう呼んでいます。

通常の状態であれば多くの機械式時計の場合の「リザーブ時間」は40時間前後となっているようです。ですが、ムーブメント内の油の乾きや劣化によって、1日を待たずして時計が止まってしまうことが多くなってくるようです。

手巻きモデルで毎日いっぱいまでゼンマイを巻きあげているのに止まってしまう。または、自動巻きモデルであっても1日中つけているのに止まってしまうような場合は、ほとんどの場合がこの油の乾きや劣化によって、部品同士の抵抗が大きくなるこで引き起こされる症状となります。

時計が遅れだす

典型的な油の劣化によって現れる症状が時計の遅れです。このように遅れだす時計は、そのムーブメント内の油の劣化によって、各歯車の動きが重くなってくることがその大きな原因です。

リザーブ時間の減少の様に比較的大きな力を必要とするゼンマイの巻き上げ不足とは違って、この時計の遅れの原因となる比較的小さな力で駆動する各歯車の動きが鈍くなるのは明らかな油の劣化の影響が大きいことを示しています。

このような明らかな油の劣化の症状はやがては、各歯車やそれに付随する各部品に掛かる不可も大きくなり、やがては歯車の欠けや部品損傷へとつながっていくことでしょう。最終的には時計が止まってしまう症状へと移行してしまいます。また、この時計の遅れを感じてからの早急な対応をすることで、部品交換のリスクも最大限に防げるのではないかと思います。

時計が止まる

ムーブメント内の油切れ、もしくは油が固まることで引き起こされる典型的な症状が部品破損による時計の止まりです。機械式時計の各歯車にはその字軸受に注油されていますが、金属摩擦によって発生した金属粉がこの油と混ざってくることで油の劣化が進行していってしまいます。

この油の劣化は徐々に進行していきますが、その過程でリザーブ時間の減少や時計の遅れといった症状が現れるようになります。このような状態のまま時計を動かし続けることで部品の損傷から時計の止まりの状態へと進行してしまいます。

通常この潤滑油は3~4年で乾いてくるものですので、ほとんど使っていない時計であってもオーバーホールが必要だとされているのも、この油の乾きがあるからなのです。また、ほとんど使っていない時計であっても、少しでも油の固まるのを防ぐためにも、定期的に時計を動かすことを推奨されるのもこのためです。

まとめ

  • リザーブ時間の減少
  • 時計が遅れる
  • 時計が止まる

機械氏k時計はオーバーホール等のメンテナンスを避けて通る訳にはいきません。しかし、このメンテナンスを適正に行うだけで何十年もの間、変わらず時を刻み続けていくものです。そこが機械式時計の大きな魅力の一つではないかと思います。

機械式時計ユーザーにとっては、この時計オーバーホールは当たり前のことと理解されていても、金銭的な問題等もあって定期的なオーバーホール等のメンテナンスを行うことが難しい場合もあります。

メーカー一択であった時計メンテナンスの依頼先が豊富な経験や、それに伴った優れた技術を有する民間の時計修理専門店の存在によって、今では機械式時計ユーザーの選択枝の幅が広がっているようです。

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