最終更新日:2022.6.2
ブライトリングは無骨なデザインだけではなく、クロノメーター規格をクリアしたモデルのみを展開することで、その精密さも特徴となる時計ブランドです。
一方で、ブライトリングは並行品ユーザーだけではなく、クラブ・ブライトリング会員であっても、そもそも高額なメンテナンス価格に疑問を持たれるユーザーが少なくありません。
また、ブライトリングは並行差別の格差が大きいブランドとしても知られ、並行品のブライトリングユーザーではメーカー以外での時計メンテナンスを行うことがほとんどのようです。
しかし、時計修理専門店は全てのブライトリングのメンテナンスができる訳ではないようです。ブライトリングには時計修理専門店でも受付不可となるモデルがあります。
目次
ブライトリングには2つのムーブメントがある
● ブライトリング自社ムーブメント ❌
● ETAベースのムーブメント ⭕️
ブライトリングには上記2つのムーブメントを搭載した各モデルがあります。そして、時計修理専門店は全てのブライトリングをオーバーホールできる訳ではありません。
メーカー以外の時計修理専門店では、ブライトリング自社ムーブメントのオーバーホールの受付ができません。ブライトリングが自社ムーブメントの部品の流通を行なっていないことがその理由となります。
時計修理専門店は純正部品の入手ができなければ、当然ですが自社ムーブのブライトリングのオーバーホールは受け付けることができません。
ブライトリングは2009年に初の自社ムーブメントB01が開発されましたが、現行モデルを含めてすべてのモデルが自社ムーブメント搭載モデルではありません。
ブライトリングのムーブメントの見分け方
● ケース裏蓋の6桁の英数字
● アルファベットの次の2桁の数字(アルファベットと2桁の数字)がムーブメントの種類
ブライトリングは自社ムーブメントとETAベースのムーブメント搭載モデルが併用して販売されています。その見分け方は上記2つを参考に見分けることができます。尚、2009年以前のブライトリングはETA等をベースとしたムーブメント搭載モデルのみが販売されていました。
ブライトリングはモデル毎の裏蓋に記されたそのモデルの型番を見る事で、搭載されたムーブメントの判定が行えるようになっています。では、この型番によるムーブメントの見分け方をご紹介していくことにしましょう。
ここではブライトリングの人気モデルとなっている「スーパーオーシャン」と「スーパーオーシャン・ヘリテージ」を例にとってご紹介していきます。
スーパーオーシャン
● 型番:A17366
● ムーブメント:17
スーパーオーシャンの型番と読み取れるムーブメントは上記の通りです。ブライトリングの型番には規則性があります。最初のアルファベット1文字が「素材」を意味して、その次の2桁の数字(もしくはアルファベットと2桁の数字)が搭載ムーブメントを表しています。
この規則性に合わせて読み解くことで、スーパーオーシャンはブライトリング17ムーブメント搭載モデルというのがわかります。ブライトリング17はETA2824をベースとした汎用ムーブメントとなります。
なのでブライトリングのスーパーオーシャンは何の問題もなく、時計修理専門店へのオーバーホール依頼が行えます。ブライトリングの並行差別や高額な価格設定に疑問を持たれるブライトリングユーザーは、そのメンテナンスの依頼先が限定されることもないように思います。
尚、このブライトリング17のムーブメントは、アベンジャーシリーズ等にも搭載されるムーブメントです。
スーパーオーシャン・ヘリテージ
● 型番:AB2020
● ムーブメント:B20
ブライトリングのスーパーオーシャン・ヘリテージの型番から読み取れる搭載ムーブメントは、上記のようにブライトリング自社開発ムーブメントB20が搭載されたモデルであることがわかります。
なので、このスーパーオーシャン・ヘリテージは、そのメンテナンスの依頼先がメーカーのみであるということです。時計修理専門店でのスーパーオーシャン・ヘリテージの引き受けが行われることはありません。
但し、時計修理専門店によっては部品交換の必要性が低い定期オーバーホールの個体では、ムーブメントの状態を確認して引き受けの判断をされる場合もあるようですので、依頼を検討している時計修理専門店があれば問い合わせを行なってみても良いかもしれません。
ブライトリングの型番からわかる他の情報
● 素材
● ムーブメント
● クロノメーター規格番号
● 簡易モデル番号
ブライトリングの本体ケースの裏蓋に記載された型番からは、上記のような情報を読み取ることができます。まずは上記画像のスーパーオーシャンでは、最初のアルファベットが「A」ですので、ステンレススティール(SS)製であるということがわかります。
次に「ブライトリング17」ムーブメント搭載のモデルであるということもわかります。ムーブメント識別番号の次の数字「3」は、ブライトリングがクロノメーター規格をクリアしたムーブメントに与える数字となります。
尚、ブライトリングは販売する全てのモデルが、スイス公式クロノメーター検査協会の認定をパスしたクロノメーター仕様のモデルのみとなります。また、当然ながら自社ムーブメントもクロノメーター仕様です。
なので、この「3」という数字が与えられたモデルは、ブライトリング自社ムーブメントではないということが同時に判明するということです。そもそも自社ムーブメントもクロノメーター仕様なので、わざわざ自社ムーブモデルに「3」の数字を刻印する必要はありません。
そして、5桁、6桁目の数字は簡易モデル番号と呼ばれ、通常モデルには数字、限定モデルにはアルファベットが割り当てられることが多いようですが、その法則ははっきりとしている訳ではないようです。
ケース・ベゼルの素材番号例
アルファベット | 素材 |
---|---|
A | ステンレススティール(SS) |
B | SS+18Kイエローゴールドライダータブ |
C | SS+18Kローズゴールドベゼル |
D | SS+18Kイエローゴールドベゼル |
E | チタン |
F | チタン+18Kイエローゴールドライダータブ |
H | ソリッドローズゴールド |
ブライトリングは上記のように先頭のアルファベットによって、ケースとベゼルの素材を知ることができます。例えば、ステンレススティールのケースとステンレスベゼルであれば「A」、チタンケース、チタンベゼルであれば「E」といった感じで判別することができます。
尚、現在のブライトリングは上記の素材の組み合わせを含め、約18種類の素材の組み合わせがあるようです。
まとめ:ブライトリングはムーブメントの違いも考慮する
こちらのページでは、並行差別の代名詞的な時計ブランドとなるブライトリングのムーブメントの違いと、そのムーブメントの違いによる時計修理店の対応等についてお伝えしてみました。
ブライトリングはその無骨なデザインと存在感から、多くのファンを抱える時計ブランドの1つです。その一方で高額なメンテナンスの価格設定と、並行品と正規品との大きな販売価格差が発生している時計ブランドでもあります。
機械式時計は購入して終わりとなるようなモノではありません。購入価格にプラスして購入後のメンテナンスを見据えたトータルでのコストを見極めることも大切です。
もしもあなたが、これからブライトリングの購入を検討していたり、オーバーホールを検討しているのであれば、こちらのページを1つの参考にしていただければと思います。
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