最終更新日:2023.5.27
ロレックスの数あるスポーツモデルの中でも、特に人気なのが「サブマリーナ」です。このサブマリーナも他のモデル同様に、ムーブメント内部は精密な機械の塊となっています。
当然ですが、このサブマリーナも「突然、動かなくなった」「動作がおかしい」といった様々な動作不良を起こす場合があります。そういった症状が現れた場合でも、その原因や解決策を事前に知っておくことで慌てることなく、対応できるのではないかと思います。
そこでこちらではサブマリーナに多いトラブルとその対策、さらには必要となる部品とその部品代の概算をお伝えしていきます。サブマリーナの動作不良でお困りの方の参考になるかもしれません。
目次
サブマリーナのトラブルと部品代の概算をまとめました!
サブマリーナはダイバーズウォッチということもあって、その高い防水性と気密性に優れたモデルとなりますが、トラブルと無縁という訳にもいきません。
そこで、信頼のおける複数の「時計修理専門店」でのサブマリーナの修理実績をもとに、サブマリーナに多いトラブルとその解決策、さらには交換部品とその部品代の概算をまとめてみました。
突然動かなくなる
● ゼンマイ:5,000円〜
サブマリーナに多いトラブルが「突然動かなくなる」症状です。この場合の多くがゼンマイ切れを原因とする場合が多いのも特徴です。ゼンマイを手で巻いても症状に変化がない場合は、そのほとんどでゼンマイ切れを疑った方が良いでしょう。
決まった時間に止まることが多い
● ローター真:10,000円~13,000円
ゼンマイを巻きあげるローターの不具合で起こる症状です。ローターを中心で支えているローター真の摩耗がその原因となります。「裏蓋からカチカチと音がする」「時計を着けていても止まる」「朝、止まっている」といった症状のほとんどが、ローター真の摩耗を原因とするものです。
手巻きが重くなった
● リバーシング(切替車):13,000円~16,000円
リザーブ時間の減少から、手巻きによるゼンマイの巻き上げを行う場合に重く感じる場合は、ゼンマイを巻上げる力に変えるリバーシング(切替車)の不良が原因です。リザーブ時間の減少は、油切れと同時にリバーシングの不良を疑ったほうが良いでしょう。
手でゼンマイが巻けない
● 角穴車:8,000円~10,000円
リザーブ時間の減少のために手でゼンマイを巻こうとしても巻けない不具合の多くで、ゼンマイを巻き上げるための歯車となる角穴車の破損や不具合がその原因となります。
時間調整が出来なくなった
● 小鉄車:7,000円~9,000円
時間調整の操作不良の原因は、この操作に関わる小鉄車の歯が欠けることで引き起こされます。この小鉄車は、ムーブメントに対し部品が小さく、また負担がかかりやすい部品ということもあって、メンテナンス毎に交換したい部品の1つとなります。
湿気の侵入で曇っている
● リューズ:28,000円~35,000円
● リューズパッキン:1.000円
● ガラスパッキン:2,500円~3,500円
● チューブ:12,000円~15,000円
● マキシン:2,500円~3,500円
ねじ込み式のリューズの締め込み不足や防水性の劣化が原因で、内部に湿気が侵入してしまうことで曇りが見られる場合に多いのがリューズからの侵入です。このような湿気侵入では錆が発生している場合が多いために、付随する部品の一式交換を行う場合がほとんどです。
不具合は潤滑油の劣化や乾きから!
● 時計が遅れだす
● リザーブ時間が減少している
● 手巻き機構が何か変
ロレックスを代表するサブマリーナも、そのムーブメントに注油されている潤滑油の劣化や乾きが、ほとんどのトラブルの原因を作る始まりです。この潤滑油は、3~4年程で劣化や乾きが起こります。オーバーホールが4年前後で推奨されているのはこのためです。
この潤滑油の劣化や乾きでスムーズな動きを制限された各部品が部品同士の摩擦によって様々な不具合を起こしてしまいます。さらに、動かなくなる状態まで使用したり放置することで、多くの交換パーツが必要になる場合が少なくありません。
なので、当然ですが動かない場合は早急な対応が必要です。また、そうなる前の潤滑油の劣化や乾きによる様々な症状が現れた場合には、早い段階でサブマリーナのオーバーホール・修理依頼を行うことで、その後の深刻なトラブルのほとんどを防ぐことができます。
時計が突然動かなくなる事態を避けるためにも、サブマリーナの定期的なメンテナンスは大切です。最低でも5年に1回はオーバーホールを受けることで、ぶつけたり落としたりといった外的要因ではない限り、突然止まるということはほとんどなくなるはずです。
まとめ
今回は、ロレックスのモデルの中でも特に人気が高い「サブマリーナ」のトラブルとその対策、さらに交換部品とその価格の概算をお伝えしてみましたが参考になったでしょうか。
すでにトラブルを抱えたサブマリーナは当然ですが、明らかにいつもとは違う状態だと感じた場合は、早急にその対策を行うことをおすすめします。そうすることが、そのサブマリーナのコンディション維持とコストを抑える最良の方法となるはずです。
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