時計の修理やオーバーホールでは時計メーカーと時計修理店のいずれかにおいても、まずはじめに依頼することは「無料見積もり」となるはずです。
この無料見積もりはその名前の通り無料で行うものですが、依頼者にとっていくつか注意しておく事柄が存在しています。
こちらのページでは、時計修理やオーバーホールの依頼時に行われる「無料見積もり」での注意事項についてまとめています。
目次
無料見積もりで注意すること5つ
● 無料見積もりのキャンセルでの返送は有料の場合がほとんど
● 時計メーカーでは部品交換の拒否ができない
● 依頼先を選べないブランドやモデルがある
● メーカーでは受付していないモデルがある
時計の修理やオーバーホールの依頼でまず最初に行われる「無料見積もり」では、上記5つの事柄に注意しておく必要があります。それでは、上記5つの注意事について詳しく解説していきます。
無料見積もり後のキャンセルは有料の場合がある
まず、時計修理・オーバーホールでの無料見積もりでは通常3〜5日程度の時間を要します。また、この無料見積もり価格の了承を得た後、実際の作業となります。
なので、無料見積もりでの料金に納得できない場合にはキャンセルすることがメーカー・時計修理店を問わず可能です。但し、時計メーカーではキャンセル料の請求が行われるケースがほとんどです。
例えば、オメガでの無料見積もり後のキャンセルには3,300円(税込)、スイス送り後では16,500円(税込)のキャンセル料の請求が行われます。
尚、時計修理専門店では無料見積もり後のキャンセルにはキャンセル料自体の発生はありません。
無料見積もりのキャンセルでの返送は有料の場合がほとんど
時計メーカーへの無料見積もり後のキャンセルは、キャンセル料にプラスして時計の返送料の請求もしくは着払いでの返送がほとんどです。また、時計修理専門店でも着払いで返送のケースがほとんどです。
但し、無料見積もりキャンセル時の返送料の負担がない時計修理専門店もあるようです。無料見積もりキャンセル時であっても、すべて無料で利用可能な時計修理専門店は下記の通りです。
時計メーカーでは部品交換の拒否ができない
時計修理専門店では最低限の具品交換、もしくはパッキン等の消耗品の交換が推奨されるケースがほとんどになります。ですが、時計メーカーでは一律に定められた部品での一律交換が行われます。
この際の部品交換の拒否は、そのままキャンセル料の請求とともに時計の返送が着払いで行われるのが通常です。時計メーカーの修理やオーバーホールでは顧客側に部品交換拒否が出来ないシステムとなっています。
なので、メーカーでは必要のない部品交換等で高額な見積もりが行われる場合が多いですが、このような場合では提示された内容や金額に異議がある場合はキャンセルの一択しかないようです。
依頼先を選べないブランドやモデルがある
● 自社ムーブはメーカーのみとなるブランドがある
時計ブランドやモデルによっては上記2つに留意する必要があります。特に、フランクミュラーの並行品はメーカーへの依頼ができません。受付自体が拒否されるようになっています。
● もはや並行差別にもならないフランクミュラー正規メンテナンス総まとめ
そして、汎用ムーブメントの代表であった「ETA」のスウォッチグループへの参加に伴って、同グループ以外への供給を終えたことで自社ムーブメント搭載モデルを発表する時計ブランドが増えました。
この自社ムーブメント搭載モデルの部品流通に制限をかけた時計ブランドの場合は、時計修理専門店では部品交換時に対応できないケースが増えてきました。
特に、ブライトリングとタグホイヤーの「ETAムーブ」以外の自社ムーブメントモデルは、メーカー以外での対応が難しい現状があります。なので、部品交換が必須となったブライトリングやタグホイヤー自社ムーブモデルはメーカー一択の選択となります。
● ブライトリングのオーバーホールが時計修理店で断られるたった1つの理由!
メーカーでは受付していないモデルがある
ヴィンテージモデルやアンティークモデルとされる古い時計の修理やオーバーホールをメーカーでは受け付けない時計メーカーがほとんどです。特に、1980年以前のモデルは注意が必要です。
時計メーカーでは多くの場合で、廃盤から10年(製造から30年程度)を経過したモデルは部品の保有がないケースがあります。このようなモデルのメーカーメンテナンスの依頼は行えません。但し、IWC等の一部のブランドは生涯に渡ってメーカー修理が可能です。
尚、時計修理専門店ではアンティークの良さを残した修理やオーバーオールを心がけ、アンティークモデルの価値を落とさない対応が期待できます。
無料見積もりの依頼方法
● サービスセンターもしくは店舗に持ち込む
時計の修理・オーバーホールの依頼方法には上記の2つがあります。時計メーカーへのコンプリートメンテナンス、時計修理専門店への依頼の共に、上記2つの方法となります。
時計メーカーと時計修理専門店の最も多い依頼方法となるのが郵送での依頼です。この郵送サービスでは専用のBOXに時計を納めて送るだけの簡単で確実な依頼方法となります。
次に、正規販売代理店等の店舗へ持ち込んでのメーカー依頼でも良いでしょう。但し、代理店経由の依頼では代理店への手数料を含めた請求が行われるのが通常です。
または、時計修理専門店への持ち込み依頼も可能です。時計修理専門店によっては直接、時計技術者が対応する場合も少なくありません。時計の状態や希望を技術者に直接伝えることで、概算での費用の確認も容易かもしれません。
● 【完全ガイド】時計修理専門店の無料見積もり郵送から修理完了受け取りまで
まとめ
時計の修理やオーバーホールでまず初めに行うのが「無料見積もり」の依頼です。この「無料見積もり」では時計技術者による時計内部の確認が必須の作業となります。
こちらのページでは、時計修理・オーバーホールでは必須の「無料見積もり」サービスについてまとめてみましたが参考になったでしょうか。
特に、初めての時計オーバーオールでは気になることや心配事があるかもしれませんので、そんな場合の参考としてみても良いかもしれません。
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